神保町の古書店、二月の光
昼下がりの神保町を歩くと、棚の影が文庫の背に落ちる。書店主の世代交代が進むなか、二代目たちが次の十年をどう編むかを考えている、という会話が増えた。
記事には収まらなかった断片、取材の余白、編集会議で交わされた言葉。日々の編集作業のなかで残しておきたいものを、短く記録しています。
昼下がりの神保町を歩くと、棚の影が文庫の背に落ちる。書店主の世代交代が進むなか、二代目たちが次の十年をどう編むかを考えている、という会話が増えた。
裏千家のある稽古場で、二十代の女性が茶筅を振っていた。手の動きはまだ硬いが、視線は迷いなく茶碗の中央に向かう。所作は、教義より早く身体に届く。
午前二時、客はひとりも入ってこない。店員はバックヤードで仕分けに集中している。深夜営業の意味が問われる時代に、それでも開いている店の倫理を考えた。
青年漫画の販売部数は二〇〇〇年代と比べると確かに減っているが、単行本市場では存在感が増している。雑誌から単行本へ、収益構造が静かに変わった結果だ。
高齢化率三〇%という数字の下に、町ごとの違いがある。ある集落では介護職員が車で四十分走る。数字を読むことと、現場を歩くことは、別の作業だ。
創刊号の編集会議。物語・文化・社会・思想という四つの座標は、互いに重なる場所で生まれる記事こそ強い、という結論に至った。次号もそれを軸に。
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